事業承継とは

会社の経営者が高齢化し、世代交代が必要になった場合は、事業承継を検討しましょう。

事業承継とは、会社の事業や会社そのものを後継者に引き渡し、引き継がせることをいいます。

中小企業は今日の日本経済を支えており、個人事業主を含む中小企業の数は企業数でみると全体の99％を占め、雇用の約7割を占めます。

優秀な中小企業が多い中、経営者の高齢化及び後継者不足により、休廃業・解散を検討せざるを得ない企業も少なくありません。

中小企業庁によると、経営者の年齢のうち、「70代以上」の占める割合は年々増加しており、経営者の高齢化及び後継者不足を背景とする休廃業・解散の件数は年約4万件台の水準で推移しています（参考：中小企業庁「2020年版中小企業白書」）。

中小企業の有する貴重な経営資源が失われないためにも、事業承継は喫緊の課題といえるでしょう。

事業承継の方法としては、大きく2通りの方法があります。一つは、子ども（ないし親族）や優秀な従業員などに事業を引き継がせるというものです（いわゆる「親族内承継」及び「親族外承継」）。

経営者にとって相手のことをよく知っており、信頼しやすく、適任者であれば周囲からの理解が得られやすいというメリットがあります。

従来、このような方法で事業の引継ぎが行われることが多くありましたが、少子高齢化や価値観の変容（職業選択の自由化）により後継者探しが難航するケースがあります。

もう一つの方法としては、M&Aによる方法があります。M＆Aは合併・買収など、会社の事業等の経営権を第三者に移転させる方法で、友好的M＆Aによる事業承継の数は近年増加しています。比較的短期間で事業承継を実現することも可能で、従業員の雇用を維持しつつ、経営資源の継承ができ、経営者にとっては老後の生活資金を確保することができます。

どのような形で事業承継するかは会社ごとで異なります。より良い条件で事業承継を行うためには、十分な準備を行い、時間的な余裕を持たせて行う必要があります。具体的な方法を検討するためにもまずは弁護士等の法律専門家に相談することをおすすめします。

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