任意売却と競売の違い|それぞれのメリットやデメリット

任意売却とは、住宅ローンなどの返済が困難となった場合に、債権者（金融機関など）の了承のもと、不動産所有者の意思で不動産を売却する方法です。

任意売却と比較される手続きとして競売があります。競売とは、所有者の意思と関係なく、債権者の差し押さえた不動産を裁判所の関与のもとで売却・換価する方法です。ここでは任意売却と競売の各メリット・デメリットを紹介しますが、後述の通り、任意売却を利用できるのであれば積極的に利用するようにしましょう。

■任意売却のメリット・デメリット

任意売却のメリットとしては、主に以下の点が挙げられます。
・市場価格に近い価格で売却でき、競売と比較して高く売却することができる
・通常の不動産取引と同様の手順で売却するため、周囲に不動産所有者の経済事情などが知られる恐れが少ない
・不動産の買主と売却に関して相談でき、契約日や引き渡し日などの条件を柔軟に決めることができる
・債権者との交渉次第で、引っ越し費用の一部などを売却代金の中から控除してもらえる

任意売却にはこのようなメリットがあるため、一般的には競売手続きに至る前に任意売却を行う方がよいでしょう。

もっとも、任意売却にもデメリットがあり、利用する際は以下の点に注意しましょう。

・金融機関などの債権者や連帯保証人などの同意が必要
・任意売却を利用した場合でも、住宅ローンの滞納によって信用情報機関に事故情報が登録される可能性がある（いわゆるブラックリスト入り）
・期限内に売却できなければ競売に移行することがある
・任意売却を扱う悪徳業者がおり、依頼先の選択には慎重に行う必要がある

■競売のメリット・デメリット

次に競売のメリット・デメリットについて解説します。

競売のメリットは、任意売却と比較するとあまりありません。あえて挙げるとすれば、競売手続きは裁判所が主導するため、不動産の買主と交渉する必要はなく、また債権者はもとより、連帯保証人などから同意を得る必要はありません（ただし、競売により連帯保証人の義務が免除されるわけではない）。

しかし、任意売却と比較してデメリットが多く、任意売却を利用できるのであれば、積極的に利用することをおすすめします。

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