【弁護士が解説】認知症の人が作成した遺言書は有効?
基本的に、認知症などで意思能力がない人の法律行為は無効になります。
よって、認知症の人が作成した遺言書は無効になる可能性が高いですが、作成当時の状況によっては、有効性が認められることもあります。
この記事では、認知症の人が作成した遺言書の有効性について解説します。
遺言書の有効性は認知症の人の当時の判断能力の程度による
認知症の人が作成した遺言書の有効性は、遺言書作成当時の、作成した人の判断能力の程度で判断されます。
判断能力の程度の判断には、さまざまな要素が関係します。
たとえば、遺言者の年齢や健康状態、認知症発病時と遺言書作成時の時間的関係などが考慮されます。
裁判で遺言書の有効性が判断される場合、最終的な判断を下すのは裁判官です。
裁判官は、遺言者の遺言書作成当時の状況を総合的に考慮して判断を下します。
認知症の人が作成した遺言書が有効となるポイント4つ
認知症の人が作成した遺言書が有効となるためのポイント4つをご紹介します。
認知症の進行具合を証明する医療記録
認知症の進行具合を証明する医療記録などがあれば、遺言者の当時の判断能力の程度を客観的に証明できます。
認知症の人の症状は日々変化するため、医師の診断書や介護記録、看護記録などの書類があると役立つでしょう。
公正証書遺言
公正証書遺言とは、公証役場で公証人と遺言者本人との間で作成される遺言書のことです。
公正証書遺言は、2人の証人が立ち会い、公証人による遺言者本人への聴取のもと行われるため、原則として遺言者本人の判断能力が証明されます 。
シンプルな内容の遺言書
認知症の人が作成した遺言書の有効性は、遺言者に内容の理解能力があったかどうかでも判断されます。
そのため、遺言書の内容が複雑ではなくシンプルなものであるかどうかも重要です。
複雑な内容ほど、認知症の人にとって内容を理解することが難しかったはずだ、おかしいと判断される可能性が高いからです。
長谷川式認知症スケール
長谷川式認知症スケールとは、認知症のレベルを推定するために行われる簡易的な知能検査のことです。
30点満点中20点以下の場合は認知症であると判断される可能性があります。
10点以下だと判断能力がないとされ、公正証書遺言であっても無効になる恐れがあります。
まとめ
認知症の人が遺言書を作成した場合、その有効性が争われます。
認知症の人が作成した遺言書は無効になることが多いですが、例外もあります。
認知症の人が作成した遺言書の有効性にはさまざまな事情が関係しているため、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
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資格者紹介Staff
平成17年に弁護士法人しんらい法律事務所の前身である山田滋(故人)法律事務所に入所しました。弁護士三代目です。「明るい暖かみのある事務所」のモットーを引き継いでおります。
民間人の視点と共に、13年間の裁判所勤務の経験を活かして、法律問題に取り組んでいきたいと思います。趣味は、登山、スキー、ピアノ、バイオリンです。バイオリンはオーケストラに所属してひいています。お困りのことがありましたら是非山田公之にご相談下さい。
所属団体
- 第一東京弁護士会
得意分野
離婚・相続等の家事事件、不動産関係事件、交通事故事件
経歴
成2年早稲田大学法学部卒業
裁判所の事務官又は書記官として、最高裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所に13年間勤務、在職中に司法試験合格
第58期司法修習生を経て平成17年弁護士登録
第一東京弁護士会弁護士業務改革委員会第4部会所属
2019年度第一東京弁護士会常議員
2020年民事信託士登録
法的な問題を抱える依頼者の方々に寄り添い、親身になってトラブル解決を図ることができる弁護士を目指しております。趣味はバスケットボール、ダーツ、スポーツ観戦です。
所属団体
- 第一東京弁護士会
得意分野
労働事件、家事事件、不動産関係事件
経歴
平成23年3月 中央大学法学部卒業
平成27年3月 明治大学法科大学院修了
平成27年9月 新司法試験合格
平成28年12月 最高裁判所司法研修所修了(新69期)
平成28年12月 弁護士登録、第一東京弁護士会 総合研修センター 新規登録研修部会所属、明治大学法科大学院教育補助講師
事務所概要Office Overview
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